シンセサイザーは音を合成する機械のことです。
シンセサイザー(Synthesizer)という言葉をSyn-thesiz-erと分けて考えてみましょう。
Syn、もしくはSymは何かを総合、総称したもの、何かが統合されたものを意味します。
例として、シンクロ、シンボル、シンドロームなどがよく使われます。
thesiz、もしくはthesisは少し小難しい言葉で、一般的には「論文」といった意味で使われるのですが、つまりは世の中の現象についてのアイデアや定義を説明することを意味します。ドイツ語ではテーゼと発音し、日本ではこちらの方が馴染み深い発音となります。
最後のerは日本でもよく見るものです。playの後につければplayer、singの後につければsinger、teachの後につければteacherとなるように、〜する人、〜する物を表します。
これを使って一般的にシンセサイザーと呼ばれるものを説明すると、
「この世の現象についてのアイデアを統合して表現する機械」
とでもいいましょうか。
なんとなくシンセサイザーそのもののイメージが出来れば良いのです。なんとなく小難しい複雑なものを合わせて音を出す機械がシンセサイザーなのです。
そして、もうひとつよくある質問に。。
「キーボードとシンセサイザーは何が違うのか?」
というものがあります。
音楽の世界においてキーボードとは、
「ピアノの鍵盤が付いているボード」
のことです。ですから、オルガンもグランドピアノもアコーディオンもキーボードなのです。しかしこれらは音を合成する機械ではありませんね。だからこれらはシンセサイザーではない、ということになります。
もともとシンセサイザーには鍵盤が付いていませんでした。そして楽器として世の中に登場したシンセサイザーには音楽家にわかりやすいように演奏しやすいように鍵盤をつけたものが登場し、定着していったのです。
現代でもピアノの鍵盤が付いていないシンセサイザーも数多く存在します。一般的に認知されているシンセサイザーには鍵盤が付いているものが多いため、キーボードとシンセサイザーが混同されがちになるのです。
*写真は学研のSX-150 MARKIIというアナログシンセサイザーです。
こちらはKorgのMonotribe ↓
シンセサイザーを使って自分だけのオリジナルの音を作る、とは一体どういうことでしょう?
以下のいくつかの異なるシンセサイザーを使って私だけの音を作ってみます。
Acid Bass Machine Gizm0x製のx0x Pro
Nord Drum3 ドラムシンセサイザーをLinnstrumentというMIDIコントローラーで操作しています
Sequential Prophet6 上と同様にlinnstrumentでコントロール
Dave SmithとRoger LInnが共同製作したドラムマシンTempest
今回は、以上4つのシンセサイザーをEHX95000というルーパーに仕込んでからドラムマシンとセッションする様子をご紹介します。
このように全く異なる特徴を持つシンセサイザーの音をジャムのように溶かし込んで、自分だけの音を作る事が出来ます。
せっかく面白い音を作ったら、それを音楽にして、曲にしてみたいですよね!
今回はルーパーとドラムマシンという機材を足してみました。
シンセサイザーは自分のオリジナルの「音を作り上げて」曲に仕上げていくという他の楽器にはない素晴らしい特徴を持っているのです。
ここで、今回私が使用した機材は、ふたつのアナログシンセサイザー、ひとつのアナログドラムマシン、ひとつのデジタルドラムマシン、ルーパー、というように分類が出来、それをパソコンのDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)を使用してレコーディングを行ったものです。
私たちが扱うアナログ機材、デジタル機材、コンピューターソフト、iOSアプリは、実はそれぞれが非常に複雑な機能と特徴を持ち、互いに絡み合って使用することが多いため、明確に分類することが難しくなります。
機材やアプリ、ソフトは扱いや習得には根気や努力が必要ですが、稀に根気の無い、努力が嫌いな人でも扱いの上手な人が出現するという今までの音楽シーンには無かったユニークな特徴があります。
楽器ができなくても、機械が好きだったり、手先が器用だったり、音楽よりも「音」そのものが好きだったりする人は、この分野でズバ抜けた実力を発揮するということもあり得るのです。
「音」そのものを作り上げることから始めるため、創作活動が好きな人も向いていると言えるでしょう。
今の音楽業界では、機材もソフトも良質なものが豊富に膨大に揃っているため、全ての音をチェックすることは不可能です。
肝心なことは、たとえ無料のアプリであっても音作りと曲作りといった制作に「没頭出来る」言い方を変えると「ゾーンに入る」事です。
iPhoneだけで制作された曲がグラミー賞にノミネートされたことが実際にありました。
シンセサイザー教室DTMateのゴールは、「自分の可能な限りの環境」でベストの音作りと曲作りに没頭して、その作品を発表して人と分かち合う事にあります。