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キューバ音楽のリズム「Guaguanco」をGarageBandで再現してみる

今日は授業の中で、キューバ音楽の代表的なリズム「グアワンコ」を題材にして、その成り立ちやDTMへの応用について紹介しました。

1. グアワンコというリズム

グアワンコ(Guaguancó)は、キューバの伝統音楽やダンスで使われるアフロ・キューバンリズムのひとつです。映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』などでも聴くことができ、クラーベを基盤にした独特のグルーヴ感が特徴です。

リズムをシーケンサーにそのまま打ち込んでも崩れることはありませんが、本物のパターンを理解してから取り入れると、音楽全体に自然な説得力が生まれます。

2. パーカッションチューターというアプリ

参考にしたのが「パーカッションチューター」というアプリ。
このアプリには、キューバ、ブラジル、西アフリカなど、世界各地のリズムパターンが多数収録されています。画面上でパートを選んで消音したり、特定の楽器だけを聴き取ったりできるので、耳を鍛えながらリズムを理解するのに最適です。YouTubeの実演動画とも連動していて、実際の演奏を確認できるのも大きな利点です。

3. GarageBandでの応用

GarageBandのシーケンサーを使ってグアワンコを再現するときは、16分割されたセルに音を配置していきます。楽譜を参考に1音ずつ入力する方法もありますが、耳でリズムを捉えて打ち込む方が自然で速いです。

キックとクラーベだけでも十分にクラブミュージック的な雰囲気が出ますし、伝統的に正しいリズムを使うことで即興的に要素を加えたり引いたりしても安定感が損なわれません。結果的に、グルーヴ感のあるトラックを構築しやすくなります。

4. リズムとダンスの関係

アフロ・キューバンリズムの優れている点は、拍の境界をまたぐようなリズムの重なりにあります。これはダンスのステップとも密接に結びついており、裏拍を自然に身体で感じられるようになるのです。ニューヨークのミュージシャンからも「ダンスのステップを練習するとリズムの裏が理解できる」と聞いたことがあります。

5. まとめ

グアワンコに限らず、伝統的なリズムパターンをそのまま取り入れることは、音楽制作において非常に効果的です。まずは基本のリズムを耳と身体で覚え、そのうえで即興的に展開させていくことで、オリジナリティと説得力のあるサウンドが生まれます。

次回の授業では、このリズムを基にベースラインの作り方やスケール(特にドリアンなど)についても触れていく予定です。